交互吸着法
交互吸着(Layer By Layer)法は環境負荷の少ない水系のコーティングでありながら、ナノオーダーの厚み制御が可能であるため、次世代薄膜コーティングとして期待されています
従来の「ドライプロセス」による薄膜製造装置は、真空条件を必要とするなど、コスト面でのデメリットもありましたが、「ウェットプロセス」では、常温・常圧下で低コストに製膜することが可能となりました。
薄膜の用途
■LCD
- 反射防止フィルム
- カラーフィルター
- 反射フィルム
- プリズムシート用
- 液晶配向膜
- 層間絶縁コート剤
- 光学ディスプレイ粘着剤
- 透明導電性フィルム
■PDP
- 誘電体層
- バリアリブ材料
- 誘電体保護膜
- 蛍光体ペースト
- 光学フィルタ
- 反射防止フィルム
- 電磁波シールドフィルム
- 近紫外線吸収剤
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■有機EL
■半導体
- フォトレジスト材料
- パッシベーション膜
- アンダーフィル
- 液状封止材料
■実装/基板/ハウジング他
- FPCコーティング
- ビルドアップ基板層間絶縁膜
- 導電性接着剤
- 放熱コーティング材
- 電磁波シールド材
- 絶縁用コーティング材
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■情報記録関連分野
- ハードディスク
- Blue-Lay/HD-DVD用コート材料
- 光ディスク(CD、CD-R、DVD等)
- ナノインプリント用材料
- 磁性コート材料
- 昇華型プリンター用紙
■光学関連分野
- 光学レンズ用
- 光ファイバー用
- 光ファイバー結合用接着剤
- 光部品用シール剤
- 光導波路用形成材料
■その他分野
- 飲料容器用(缶・びん・PETボトル用)
- 蒸着フィルム(アルミ、シリカ、透明)
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様々な用途・分野で薄膜技術が求められている
薄膜形成技術
交互吸着法の原理
プラスの電荷とマイナスの電荷を持った物質間に働く静電気力(クーロン力)により連続的に吸着
交互吸着法による薄膜作製の原理
交互吸着法による高分子電解質の積層モデル
交互吸着法の特徴
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ドライコーティング |
従来の ウェットコーティング |
交互吸着法 |
特徴 |
- 高温・真空中での薄膜作製
- ナノスケールオーダで膜厚制御が可能
- 薄膜の密着性が良い
- 薄膜の均一性が良い
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- 溶液中での浸漬による薄膜作製(有機溶媒系)
- 膜厚制御が困難
- 膜の結晶化のため高温処理か必要
- 簡単なプロセス
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- 調製した溶液(pH,濃度など)中での浸漬による薄膜作製(水系)
- 常温常圧による薄膜作製
- ナノスケールオーダで膜厚制御が可能
- 使用材料(有機・無機)
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生産性 |
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- 常温常圧による作製のため、拡大が容易
- 廃液処理・廃ガス処理が必要
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- 常温常圧による作製のため、拡大が容易(ロール装置)
- 環境にやさしい
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交互吸着膜の用途
・超親水化:コンタクトレンズ, 曇り止め膜
・ナノオーダでの膜厚制御:光学フィルタ、反射防止(AR)膜
・高比表面積膜:ガスセンサ、ケミカルフィルタ
・微粒子への膜: 光学用の微粒子、触媒、ドラッグデリバリ−、プロテインカプセル
・有機/無機積層膜:磁気デバイス、電子デバイス、光学用デバイス
・機能性材料積層膜:導電性膜、有機EL素子、バイオセンサ、セルプクリ−ニング膜
※基材:ガラス、金属、微粒子、メンブレイン、紙、PET ・・・
交互吸着膜の製造
SNTでは交互吸着法を利用した質量制御型の交互吸着膜製造装置「ナノフィルムメーカー」を開発致しました。
さまざまな材料を自由に製膜。ナノメートルオーダーでの制御を実現し、新しい分野の研究開発に貢献します。
特徴
・LBLの基本となる液槽を最大で16個装備
・さまざまな薄膜シーケンスの設計をサポートするPC
・精度高いナノ薄膜を可能にする水晶振動子内蔵
・基本的な積層膜作製方法がわかるガイド書付き
詳細は
ナノフィルムメーカー製品詳細をご覧下さい。