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2009年に掲載された記事

ナノ制御薄膜製造装置 用途開拓に拍車 透明導電性膜など狙う
        ナノ制御薄膜製造装置 用途開拓に拍車 透明導電性膜など狙う” ナノテクベンチャーのSNT(本社・千葉県市川市、白鳥世明社長)は、ナノセンシングを応用した薄膜製造装置「ナノフィルムメーカー」の 利用拡大を目指す。交互吸着法というウェットプロセスで薄膜を製造するもので、反射防止膜、透明導電性膜、色素増感型太陽電池など 幅広い用途に利用できる。従来方法と比べて安価に大量に生産できることから、さまざまな分野での展開を目指す。

ナノフィルムメーカーは、交互吸着法を利用した装置で、アニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーの間に働くクーロン力を利用して吸着させ、 連続的に膜を積層する。基材に表面処理を行い、負荷電化を付与、基材をカチオン性ポリマー溶液に浸漬する。余分な付着物を洗浄したのち アニオン性ポリマー溶液に浸漬、この作業を繰り返すと薄膜が積層できる。

薄膜は、水晶振動子(QCM)によるセンシングによりナノオーダーでの制御を実現した。また、物質の組み合わせにより、さまざまな機能性薄膜が 開発できる。

従来のウェットプロセスコーティングと比べて、高温処理が不要、膜厚制御が可能などのメリットがある。また、ドライコーティングと比べると 真空装置が不要など、設備投資が3分の1以下に抑えることができる。

同装置では、交互吸着法以外にもゾルゲル法、化学溶液析出法、親水コーティングなど幅広いコーティング方法に対応、半導体基板にも、 きれいに成膜できる。

硫黄臭を高効率分解”除去剤 活性炭の数十〜数百倍”
硫黄臭を高効率分解”除去剤 活性炭の数十〜数百倍” 慶応大学発ベンチャーのSNT(川崎市幸区、白鳥世明社長、044・580・1566)は、 悪臭を出す硫黄化合物を高効率で酸化分解する除去剤を開発した。 数種の金属酸化物によるナノ粒子で、除去率は活性炭の数十〜数百倍と高く、加熱の必要もなく耐久性が高い。 ゴミ・汚水処理場や工場など業務用の空気清浄機や、家庭向け生ゴミ箱やマスクのフィルターに有望で、サンプル出荷を始めた。

悪臭の除去剤として活性炭が広く使われるが、吸着除去なので使用するにつれ性能が落ちる問題がある。 ほかの分解触媒では、自動車排ガスに使う白金触媒が高価で高温作動が必要、光触媒は光の照射がいるといった欠点がある。

今回の除去剤はこれらの問題がなく、フィルター加工して臭いのある空気を通すだけで分解除去できる。

硫黄化合物の除去率を活性炭と比較すると、これは温泉や卵の腐った臭いの硫化水素で180倍、肉や生ゴミの腐った臭いのメチルメルカプタンで250倍の性能を示した。

自動車排ガスの硫黄化合物も活性炭の14倍で除け、原理は不明だが窒素化合物も処理できた。耐久性試験でも60時間連続で性能維持が確認できた。

除去剤の性能はコバルト、ニッケル、マンガンなど貴金属以外の酸化物の組み合わせと、 粒子の大きさがポイント。大きさ100ナノメートル(ナノは1億分の1)のナノ粒子が凝集しており、 1グラム当たり150平方メートルと表面積が比較的、大きくて反応しやすくなっている。