HOME > ニュース > 2006年の記事

2006年に掲載された記事

白鳥研究室と鰍rNTのナノテク次世代薄膜プロジェクト
白鳥研究室と鰍rNTのナノテク次世代薄膜プロジェクト ●「新川崎・創造のもり」から生まれた慶應義塾大学発のベンチャー
慶應義塾大学では、K2タウンキャンパス(新川崎タウンキャンパス)において、産学地域連携を目指し最先端の研究を行いながら、 同時に、研究を通じて地元企業の技術の高度化、新産業の創出による地場産業の育成を目指している。 ここでご紹介する白鳥研究室では、隣接するインキュベーション施設「かわさき新産業創造センター(KBIC)」において 株式会社SNTを創立し、研究成果をダイレクトに製品開発に活かす体制を作っている。

●K2で研究しKBICで製品化
白鳥助教授は、七年ほど前からいろいろな薄膜技術の研究を進めていたが、学会発表をしていくうちに、 様々な企業から薄膜に関する依頼案件を聞くようになり、 もう少し役に立つような形で企業と一緒になって研究していければと考えるようになった。 平成十四年三月に、ナノオーダーでの薄膜コントロールによる、 センサ技術や薄膜技術に関する技術移転・製品開発を行う大学発ベンチャーとして、 有限会社白鳥ナノテクノロジーを設立した(翌年四月、株式会社に変更)。 白鳥ナノテクノロジーの頭文字を略すと「SNT」となるが、 S=Sensor、N=Nano Coating、T=Thin Filmsとすることにより、 業務内容のキーワードを表すことができることから、平成十五年十二月に正式に社名を株式会社SNTに変更している。 その後、K2に隣接するかわさき新産業創造センター(KBIC)にも入居し、 現在は、矢上校舎とK2が研究室で、KBICがSNT(会社)という形になっている。
白鳥研究室と鰍rNTのナノテク次世代薄膜プロジェクト ●次世代の薄膜作製技術
ナノテクノロジーは、極めて小さな分子や原子を自由に操って加工する「超微細技術」のことである (ナノは10億分の一を表す単位で、物質を構成する分子や原子の大きさに相当する)。 ほとんどのナノテクの技術は真空によるものが多く、真空の中で原子や分子を動かして加工しているが、 真空技術にはかなりの設備導入が必要で、中小企業やベンチャーにはなかなか難しい。
白鳥研究室では、水を使って真空を使わない「ウェットプロセス」を提唱し、 往来の真空を使った薄膜作製技術とは異なり、常温・常圧の電解質高分子の水溶液を用いて作る「交互積層法」と呼ばれる 次世代の薄膜作製技術に取り組んでいるが、これにより常温・常圧下で、低コストの製膜が可能となった。 企業としての強みも、こうした「ウェットプロセスのナノテクノロジー」にある。
中でも今、最も注目されているのが、ナノコーティングによる超撥水膜の技術である。 撥水はこれまでフッ素を用いていたが、環境に適応した生体(蓮の葉など)の表面構造に着目し、 これらに類似する秩序だった高次構造の超撥水表面を「ウェットプロセス・ナノテクノロジー」により形成するものである。 これを用いて、防汚、防カビ等の機能を実現することで、建材や車両・帆船、電子機器、バイオ・微細加工など、 あらゆる市場への展開が期待されている。

●ナノテクが生み出す高感度ガスセンサ
ナノテクノロジーと薄膜作製技術を用いて、研究開発した野菜・果物の鮮度保持シート(商品名「シャキッとシート」は、 すでにベンチャー企業との連携で商品化され、関係者の注目を集めている (平成十三年度「日経優秀製品賞」受賞、平成十五年度「文部科学大臣賞」受賞)。 また、ガスセンサの感応薄膜への応用を考案し、高性能かつ小型のガスセンサを試作開発も行った。 基本的な仕組みとして水晶振動子を使用した。 これは、水晶振動子に臭いのもととなる分子(例えばアンモニアなど)が付くと、振動の仕方が遅くなることから、 周波数を読めば、簡単なナノテク天秤ができるというものである。 関東経済産業局の協力により開発した高密度アンモニアガスセンサを浄水場でモニタリングしたところ、 10ppbという最高感度を計測した。この技術は、高齢者のおむつ交換などへの応用が考えられ、 幸区内の「特別養護老人ホームしゃんぐりら」で運用実験を行った実績がある。

●「学」と「産」の橋渡し
白鳥研究室では、常に基礎研究を続けて、データベースを構築している。 一方で(株)SNTは、研究室の延長線上にあるベンチャー企業であり、 本当に動いている大企業や中小企業の約に立ちたいとの思いで、 大学と企業との間の橋渡し役を担っている。 これからも、センサ、ナノコーティング、薄膜という三つのキーワードで人と地球に優しい研究開発に取り組んでいく。

続・川崎元気企業
続・川崎元気企業 SNT ウェットプロセスによるナノテクノロジーの実用化に邁進「新川崎・創造のもり」から生まれた慶應義塾大学発のベンチャー

●K2タウンキャンパス・KBICを拠点に研究開発型企業として成長
同社は、平成十四年三月に、ナノオーダーでの薄膜のコントロールによる、センサ技術や薄膜技術に関する技術移転・製品開発を行う大学発ベンチャー、有限会社白鳥ナノテクノロジーとして発足した(翌年四月、株式会社に変更)。社名を略すと「SNT」となるが、S=Sensor、N=NanoCoating、T=ThinFilmsとすることにより、同社の業務内容のキーワードを表すことができることから、平成十五年十二月に社名を株式会社SNTに変更した。社長を務める慶應義塾大学理工学部助教授の白鳥世明氏は、七年まえほど前からいろいろな薄膜技術の研究を進めていたが、学会発表をしていくうちに、さまざまな企業から薄膜に関する提案を聞くようになり、もう少し役に立つような形で企業と一緒になって研究していければと考えるようになった。しかし、学内ではほとんどスペースがないことから、大学の近くに製品化する一歩手前までの開発の拠点をつくるため、新川崎のK2(ケイスクエア)タウンキャンパスに入居し、活動を開始した。その後、K2に隣接するかわさき新産業創造センター(KBIC)にも入居し、現在は、矢上校舎とK2が研究室で、KBICがSNT(会社)という形になっている。なお、学内では登記ができないため本社は自宅にしてある。

●次世代の薄膜作製技術で低コスト化を実現
ナノテクノロジーは、きわめて小さな分子や原子を自由に操って加工する「超微細技術」のことである(ナノは一〇億分の一を表す単位で、物質を構成する分子や原子の大きさに相当する。)ほとんどのナノテクの技術は真空によるものが多く、真空のなかで原子や分子を動かして加工しているが、真空技術にはかなりの設備導入が必要で、中小企業やベンチャーにはなかなか難しい。白鳥研究室では、水を使って真空を使わない「ウェットプロセス」を提唱し、往来の真空を使った薄膜作製技術とは異なり、常温・常圧の電解質高分子の水溶液を用いてつくる「交互積層法」とよばれる次世代の薄膜作製技術に取り組んでいるが、これにより常温・常圧下で、低コストの製膜が可能となった。同社の強みも、こうした「ウェットプロセスのナノテクノロジー」にある。なかでも、いまもっとも注目されているのが、ナノコーティングによる超撥水膜の技術である。撥水はこれまでフッ素を用いていたが、環境に適応した生体(蓮の葉など)の表面構造に着目し、これらに類似する秩序だった高次構造の超撥水表面を「ウェットプロセス・テクノロジー」により形成するものである。これを用いて、防汚、坊カビなどの機能を実現することで、建材や車両・船舶、電子機器、バイオ・微細加工など、あらゆる市場への展開が期待されている。

●ナノテクが生み出す高感度ガスセンサ
ナノテクノロジーと薄膜作製技術を用いて、研究開発した野菜・果実の鮮度保持シート「やさシート」(現在名「シャキっとシート」)は、すでにベンチャー企業との連携で商品化され、関係者の注目を集めている(平成一三年度「日経優秀製品賞」受賞、平成十五年度「文部科学大臣賞」受賞)。また、ガスセンサの感応薄膜への応用を考案し、高性能かつ小型のガスセンサの試作開発も行った。基本的な仕組みとして水晶振動子を使用した。これは、水晶振動子に臭いのもととなる分子(たとえばアンモニアなど)が付くと、振動の仕方が遅くなることから、周波数を読めば、簡単なナノテク天秤ができるというものである。関東経済産業局の協力により開発した高密度アンモニアガスセンサをフィールドでモニタリングしたところ、一〇ppbという超高感度を計測した。今後は、多種・多様なニーズに対応した豊富なセンサの提供をめざしていく。

●人と地球に優しい製品づくりをめざす
同社は、常に基礎研究を続けて、データベースをしっかりとしていくという体制の、研究室の延長線上にあるベンチャー企業ではあるが、本当に動いている大企業や中小企業の役に立ちたいとの思いで、大学と企業との間の橋渡し役を担っている。これからも、社名のとおり、センサ、ナノコーティング、薄膜という三つのキーワードで人と地球に優しい製品を生み出す為、研究開発に取り組んで行く。

シャキっとシート/鰍rNT
シャキっとシート/鰍rNT 当社はウェットプロセス・ナノテクノロジーに関する薄膜技術をコアとして3年前に創業した、慶應義塾大学発ベンチャー企業です。

シャキっとシートとはウェットプロセスによる薄膜積層技術(交互積層法)をもとに潟Aクト・テクニカルサポートで実用化された、野菜・果物用の鮮度保持材です。生分解性発泡材を基材とし、アニオン性のポリマーであるキトサン(カニの甲羅成分)とアニオン性のポリマーを多く含む竹抽出成分とを、交互積層技術をもとに固定化した、全天然素材の新しいタイプの鮮度保持材です。

クーロン力による固定化をしているため、薄膜としては比較的強く、また天然素材をベースにしているためヒトと環境に優しいのが特徴です。野菜・果物の腐敗原因のひとつである、エチレンガスの発生を抑制し、竹の抽出物の作用で抗菌・抗カビ効果があります。また、基材と薄膜の多孔性のため野菜・果物から発生する水分の調湿、魚・野菜・卵などの腐敗臭の抑制、吸収が確認されています。さらに、天然素材でできているため、生分解性です。
シャキっとシート/鰍rNT
モニター実験の結果、ヨーロッパや中近東、東南アジアでの野菜・果物の常温輸送において、顕著な鮮度保持効果を示しました。今後、熟成したおいしい果物、野菜の輸送、保存への利用が期待されています。




特許 第3585172号  特許 第3250196号 取得